続イギリスで始めたこと

2001年からイギリスに住んでいます。 人生何があるかわかりません。思いもしなかった異国暮らし。 日々の生活の中で思うこと、発見したこと、出来事などを書いています。

夫の七不思議

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靴磨き

私の仕事靴は夫が磨いてくれる。
最初は夫の仕事靴を磨くついでに私のも磨いてくれた。
怪我が元で仕事ができなくなった今は
私の靴を磨いてくれる。
夫が子供の頃おじいちゃんがいつも靴を磨いていて
磨かれた靴を履くと気持ちがいいものだと言っていたそうだ。

靴を磨いてくれる夫の顔を見るといつものように
ペコちゃんの舌が出ている。

ブラブラ

夫の昔話。
夫が若かった頃、良くパブに通っていた。
近所のパブは週末になると歌手がやってきてステージに上がる。
歌手が歌い始めると客の一人と思われる老人がビールの入ったグラスを持ちながら
今にも転びそうにヨタヨタしだす。
その老人に手を貸そうとする人やびっくりする人でパブ内はざわつく。
歌手が歌を止めて何の騒ぎだと声をかけると
この老人が「このデブ下手な歌を止めろ」と野次る。
それを受けて歌手が「何だと」と口喧嘩が始まる。
これはこのパブが提供していたちょっとした寸劇だったのがすぐにわかる。

この老人はいつもこのパブにいた。
夫はこの老人が好きでパブにいつも彼が来ているか訊いた。
彼を見つけると元気かと声をかける。
彼はただ「ブラブラ」と答える。
何を聞いてもブラブラとしか答えない。
だから彼の愛称はブラブラとして知られていた
夫も彼の名前は知らない。
夫はいつもカウンターの女の子にお金を払って
「ブラブラに飲ませてやってくれ」と頼んだ。
ブラブラのお酒代を払うのは夫だけではない。
彼を慕う人達がお金を置いていくので
ブラブラはそのパブではお金を払う必要が無かった。
平日ブラブラはパブの片隅で美味しそうにおごられたお酒を飲んでいた。

ある日いつものようにステージの歌手とやり取りをした後
突然その場でノートルダムのせむし男の一場面を演じた。
見事でその場はシーンとなってブラブラの演技を観た。
拍手喝采を浴びるとブラブラは片手を胸に当てて
深々とお辞儀をした。

ブラブラは若い頃は役者だったのだろう。

臆病者

夫は10歳くらいから眼鏡をかけているせいか
目にはとても敏感だ。
目薬を点すのも嫌なのだが不器用なので私が点してやる。
最初の頃は私が目薬を入れ易いように目蓋を開いて
抑えようとすると凄く怯えて怒り出した。
とにかく眼鏡がない状態で何かが目の近くに来るのが嫌だそうだ。

以前夫が話してくれたこと。
若い時仕事中に夫の目にゴミが入ったようで
医者に診てもらいに行った。
夫は診察台に乗っていた。
看護師が医者に用意ができましたと言うと
医者は看護師に
眼球を洗浄するから眼球を取り出してと言った。
この言葉を聞いて真に受けた夫は気を失ったそうだ。
気がつくと医者があれは冗談だったのだけど
まさか気を失うとは思わなかったと謝ったそうだ。

医者が拡大鏡のような物を覗いて
やはりゴミが入っているのでそれを取り除くと言った。
鋭い針の先端のような器具を目のそばに持ってきて
目を動かさずつぶらないようにと夫に言った。
夫は針の先端のようなものが自分の目に近づいてきた途端
また気を失ったそうだ。

何とかゴミを取り除くことはできたが
治療にあたった医者はまさか大の男が2度も気絶するとはと
驚いていたそうだ。

私も若い頃眼科で眼球に刺さっていた金属の破片を取るのに
同じような治療を受けた。
針の先端のようなものが近づくとさすがに怖かったが
気絶まではしなかった。
夫はかなり臆病なのだ。

愕然

昨日夫の処方箋の写しをさがしていた。
いつも保管している所になく
ここはと思われる所を探してた。
夫が私のジャケットのポケットに入っていないかと尋ねた。
無いと言ってもしつこく訊いていた。
あの深緑のフリースだよと言う。
私は深緑のフリースなど持っていない。
私は緑はあまり好きな色ではないので
緑色の服は無い。

私は夫の顔をまじまじと見て
ここ最近私が来ているジャケットの色は?と訊くと
深緑と言う夫。
私が来ているのはダークピンク。
去年の秋日本でユニクロのライトダウンジャケットを買ってきて
ずっと着ている。
3月に日本から戻ってきてからも毎日出かけるときは
ダークピンクのジャケット。
私はびっくりした。
夫は色盲ではない。
2階からジャケットを持ってきて何色と訊くと
ちゃんとダークピンクと答えられた。

以前夫の持っている服の話をしていた時に
その服の色が全然違っていたのでおかしいなと思っていたが
毎日見ている色を勝手に違う色に思い込んでいることに驚いた。

これからは事あるごとに私の着ている物の色を聞いていこうと思った。
まだまだ謎の深い男だ。

8ヶ月ぶりの釣り

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夫はずっと好きな釣りに行けずにいた。
私が日本から戻ってもなかなか天気が良くならず
私が休みに日に限って雨だったり。
ようやく天気が良くなった日と私の休みが重なり
昨日夫は約8ヶ月ぶりに釣りに行った。

釣堀のオーナーだったデイブは去年の11月に突然亡くなった。
夫がオフィスに入っていくと孫息子マイクがいた。
デイブが亡くなってマイクはそれまでの仕事を辞め
2月からデイブの跡を継いだそうだ。
デイブが元気だった頃からマイクは仕事の合間に
デイブの手伝いをしていて夫とも顔見知りだった。
夫はデイブが亡くなった後どうなっているのかと心配していたが
マイクが引き継いだことを喜んでいた。

昨日はとっても天気が良く、沢山釣れたそうだ。
迎えに行くと嬉しそうに言っていた夫の顔半分だけ日焼けしていた。
またかっこ悪い日焼けが始まった。
今年は去年より沢山行けるといいね。

椅子

2年位前から椅子を買い換えたいと夫と話していた。
主に夫の巨体に耐えていた椅子はクッションもペタンコになり
かなりくたびれていた。
椅子を見に行こうと話していてもなかなか実現せず
はや2年ほど経ってしまった。
金曜日に夫が行きたいお店があると言うので
それじゃ行く途中にチャリティーショップで 
中古の椅子を見に寄ってみないと夫を誘うとその気になった。
夫はもう一軒のチャリティーショップにも行こう、
あっちのほうが品数があると言った。

実は夫は買い物が嫌いで色々と見るのが嫌なのだ。
最初のお店に寄ってみるといい感じの革張り椅子があった。
最初乗り気でなかった夫はその椅子を見てからそこを動かない。
値段も50ポンドと安い。
どうするもう一軒行ってみる?と尋ねるともう夫の意志が
固まっているのがわかった。
私も今まで見た中で一番いいと思ったので買う?と訊くと
夫は大きくうなずいた。

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その椅子が今日届いた。
私はイギリスに来てからチャリティーショップを良く使う。
どんな掘り出し物に出会うかわからないが
何かを探しているといつも見つかることが多かった。
友達にKemmiが何かを探していると向うからやってきてくれると
言われたことがある。

革の手入れは夫の仕事になるようだ。

形見

1月4日父の通夜の日に日本に着いた。
友達が迎えに来てくれて実家へ直行。
従弟が待っていてくれて私の喪服や必要な物を持った。
従弟が父の棺に入れる物も持っていこうと言った。
父は腕時計をいつもしてた。
風呂に入るときしかはずさなかった。
腕時計は見つけられず父が好きだった帽子や
ネクタイ、手袋を持っていった。

葬儀も終わり数日経ってふと居間にあるダンボールの中を見た。
このダンボールは9月に父が老人健康施設から
病院に入院したとき施設を退所になり
父の衣類や身の回りの物を返されたものだった。
9月、10月は毎日忙しくダンボールの中は
さっと見て衣類ばかりだと思っていた。
今回見てみると中から小さなポーチが出てきた。
開けてみるとその中に数年前私が買ってあげた
父の腕時計が出てきた。
なんだこんな所にあったのかと思った。
棺に入れてやりたかったなと思いながら父の遺影に供えた。

夫から電話が来たのでその話をした。
すると夫が大好きだったおじいちゃんの形見も
2年前に亡くなったお母さんの形見も何一つない。
もし私が嫌でなければその腕時計を
僕にくれないかと言った。

夫の大好きなおじいちゃんは駅に勤めていた。
駅に戻ってきた列車を馬を使って方向転換する係りだった。
馬の手入れをしていて馬に着ける真鍮の飾りを
いつも家で磨きながら夫に俺が死んだらこれは全部お前の物だと言っていた。
8歳の時おじいちゃんが亡くなって夫がおばあちゃんを訪ねて
あの真鍮の飾り物をもらいにきたと言うと
お前にやるものは何もないと言って他の孫にやってしまったそうだ。
このおばあちゃんは後妻で夫と血のつながりはなかったので
自分の血縁の孫に全てをやってしまったそうだ。

2年前に亡くなったお母さんは高価なものではないが
指輪やネックレスなどを残していた。
これは一番下の弟が独り占めし、他の兄妹に分けることも無く
金目当てに売り払ってしまった。
夫は自分には何もなくてもせめて姉や妹には
指輪の一つずつでも形見に残せたらと思っていたので
この弟とはもう口をきいていない。

父は夫が大好きだったので夫に形見としてもらってもらえたら
こんなに嬉しい事は無い。
父の時計を自分にと言ってくれた夫の気持ちが嬉しくて
涙ぐみそうになった。

この話を従弟にするとそれはきっとそういう運命だったんだよ。
私の夫にもらって欲しくておじさんが隠していたんだよと言ってくれた。

何も持っていなかった父だったが
いつも肌身離さずつけていた腕時計を
夫がもらってくれたのは何よりの供養だと思う。

11パウンド3オンス

夫の友達の奥さんが二人目の赤ちゃんを産んだ。
フェイスブックに載せられた写真を見せてくれた。
8パウンドだからまあまあの大きさだなと夫が言った。
パウンドで言われるとわからないのでKgに換算してみた。
約3600グラムの赤ちゃん。
小さくはない。
そういえば夫が生まれたときは大きかったと言っていたので
訊いてみると11パウンド3オンスと言った。
これを換算してみてびっくり。
約5100グラムの巨大赤ちゃんだ。
私が2800グラムだったので私の倍近い。

亡くなったお母さんの話だと看護婦さんに文句を言われたそうだ。
普通の赤ちゃんのミルクは哺乳瓶1本なのに
夫は1本飲んでも泣き止まず2本飲ませると泣き止んだそうだ。

夫は今も大きいが生まれたときから大きかったようだ。

ダイエット丸5ヶ月

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夫がダイエットを始めてから丸5ヶ月が経った。
昨日は月一で栄養士さんに会いにいく日だった。
先月から更に4キロ痩せていた。
この5ヶ月で計25キロ減。
食べ物や料理法に制限はあるがひもじい思いをするダイエットではない。
甘いものや乳製品はだめだけど肉魚は大丈夫で
お腹いっぱい食べている。

25キロも痩せてその恩恵を感じているのは夫自身だ。
身体が軽くなり以前より動けるようになった。
靴を履くときにお腹のでっぱりが気にならない。

来年の3月に膝の専門医に会うまでにあと10キロは落としたいようだ。
何より本人が頑張っているのでもう少し付き合うか。

猫の鳴き声

今朝起きて一階に下りていくと先に起きていた夫が
変な目で私を見た。
大変だったんだからと一言。
ネコの鳴き声が聞こえてそれがどんどん大きくなって。
あ、携帯電話のアラームだ、と私。
そう、それと夫。

目覚ましに夫が昔使っていたシンプルな携帯を使っていたが
使っていないもう少し性能のいい携帯を使おうと色々といじっていた。
ネコの鳴き声も選べたのでそれにし使う予定だったが
やはり今のでいいと思いキャビネットの引き出しにしまった。
電源は落としていたと思っていた。

実は電源を落としていなかった。
7時半になるように設定したままだった。
先に起きていた夫は突然猫の鳴き声が聞こえ
それがどんどん大きくなる。
近所の猫かと思い玄関を開けてみるが猫は見えない。
猫の鳴き声は部屋の中から聞こえる。
夫は知らない間に猫が家に入り込んだのかと思ったそうだ。
キャビネットの近くから聞こえる。
キャビネットは壁際にあるから猫が隠れる場所は無い。
ようやく夫は私の引き出しを開けて猫の正体が携帯だとわかった。

そういえばまだ寝ていた私も2階から猫の鳴き声が聞こえた。
また近所の猫だなと思っていた。

私のかけた目覚ましで夫が家の中をウロウロしていたとは・・・